<F1レースの簡単な流れ>
①予選レースで決勝戦のスタート位置が決まる
↓
②翌日、決勝レース
↓
③決勝レースの順位に応じたポイントを獲得
決勝前の予選順位(オーストリアGP)
決勝のスタート位置を決める『予選』の結果です。
ちなみに予選で1位だったとしても、ポイント獲得などはありません。
あくまでも、決勝戦のスタート位置を決めるもので、
予選1位は『優勝に近い位置』ということです。
2019年開幕戦オーストリアGP(グランプリ)
<予選順位>
予選順位 | ドライバー名 | チーム |
1 | L・ハミルトン | メルセデス |
2 | V・ボッタス | メルセデス |
3 | S・ベッテル | フェラーリ |
4 | M・フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ |
5 | C・ルクレール | フェラーリ |
6 | R・グロージャン | ハース |
7 | K・マグヌッセン | ハース |
8 | L・ノリス | マクラーレン |
9 | K・ライコネン | アルファロメオ |
10 | S・ペレス | レーシングポイント |
11 | N・ヒュルケンベルグ | ルノー |
12 | D・リカルド | ルノー |
13 | A・アルボン | トロロッソ・ホンダ |
14 | A・ジョビナッツィ | アルファロメオ |
15 | D・クビアト | トロロッソ・ホンダ |
16 | L・ストロール | レーシングポイント |
17 | P・ガスリー | レッドブル・ホンダ |
18 | C・サインツJr. | マクラーレン |
19 | G・ラッセル | ウイリアムズ |
20 | R・クビサ | ウイリアムズ |
決勝戦 2019年オーストリアGP
さて、続いては2019シーズンの開幕戦であるオーストリア決勝レース。
今回のレースではタイヤ交換のタイミングがカギでした。
レース中の主な出来事
※記載している周回数は多少の誤差があるかと思います。ご了承ください
<1周目>
2番手スタートのボッタス選手はスタートダッシュに成功し、
ハミルトン選手からトップ(1位)を奪取。
リカルド選手がスタート直後、コース脇の芝生に乗り上げてしまい、
車の部品(フロントウイング)を損傷し、最後尾まで順位が落ちる。
<12周目>
先陣をきって、ライコネンがタイヤ交換
(車にトラブルがあった為、早めにタイヤ交換したようです)
<14周目>
ベッテルがタイヤ交換
<15周目>
ハミルトンがタイヤ交換
<23周目>
ボッタスがタイヤ交換
<25周目>
フェルスタッペンがタイヤ交換
<28周目>
ルクレールがタイヤ交換
レースの流れを詳しく
今回のレースではタイヤ交換のタイミングがカギでした。
ベッテルがレース序盤にタイヤ交換。
そのベッテルの戦略にカバー(対応)するように、ハミルトンが続いてタイヤ交換へ。
その後、ボッタスは自分のタイミングでタイヤ交換。
その後、フェルスタッペンがタイヤ交換。
ベッテルやハミルトンよりも約10周ほど遅めにタイヤ交換したため、二人よりも新しいタイヤで走り始めました。
その後、ルクレールがタイヤ交換へ。
31周目、フェルスタッペンはベッテルを追い抜き、3位に上がる。
レース終盤、タイヤ交換が早かったベッテルがペースダウンし始める、
ルクレールにどんどん追いつかれ、苦しい走りに。
フェラーリチーム、ベッテルのタイヤ交換は早すぎたのか。
しかも、そのベッテルの動きをカバーするためレース序盤にタイヤ交換したハミルトンも、
トップを走るボッタスに30秒ちかく離されてしまい、
レース終盤はフェルスタッペンに追われるかたちとなった。
フェルスタッペンは、ハミルトンに一時追いつくが、少しミスしてしまい、
コース外の芝生まで飛び出してしまった様子。
ハミルトンを追い抜くのが難しくなった。
ゴール目前のレース終盤、
ボッタスがファステストラップタイム(コース1周の最速タイム)を記録していたが、
フェルスタッペンがこのファステストラップのタイムを更新。
するとその後に、またボッタスがファステストを再び更新。
レース終盤に、クラッシュしてしまう可能性が高くなるにも関わらず、
危険をおかしてまでファステストラップを争うドライバーたち。
最後まで見応えのあるレースとなりました。
さて、終盤のファステストラップの争いは、
おそらく今年から導入された、ファステストラップポイント(FLポイント)のおかげでしょう。
ちなみに、ファステストラップポイントとは、
10位までに入賞した選手が対象ですが、
ファステストラップタイム(レース中、コース1周での最速タイム)を出した選手に、
1ポイント与えられるというルールです。
たったの1ポイントですが、
1年間に約20試合あるので、約20ポイントがFLポイントとして振り分けられます。
チリも積もれば山となる、とても大きな1ポイントです!!
オーストラリアGP決勝レース順位結果・獲得ポイント
1位 ボッタス選手
昨年2018年は、チーム戦略などもあり優勝することが無く、2017年以来の優勝を果たした。
2位 ハミルトン選手
予選では1位(ポールポジョン)だったが、優勝ならず。
3位 フェルスタッペン選手
日本企業のホンダ製のエンジンを使用。ホンダは2015年にF1復帰から5年目にして、初めて表彰台を獲得した。
<決勝結果>
※ボッタス選手26ptの内、1ptはファステストラップポイント
順位 |
予選 順位 |
ドライバー名 | チーム | 獲得ポイント |
1 | 2 | V・ボッタス | メルセデス | 26pt※ |
2 | 1 | L・ハミルトン | メルセデス | 18pt |
3 | 4 | M・フェルスタッペン | レッドブル・ホンダ | 15pt |
4 | 3 | S・ベッテル | フェラーリ | 12 |
5 | 5 | C・ルクレール | フェラーリ | 10 |
6 | 7 | K・マグヌッセン | ハース | 8 |
7 | 11 | N・ヒュルケンベルグ | ルノー | 6 |
8 | 9 | K・ライコネン | アルファロメオ | 4 |
9 | 16 | L・ストロール | レーシングポイント | 2 |
10 | 15 | D・クビアト | トロロッソ・ホンダ | 1 |
11 | 17 | P・ガスリー | レッドブル・ホンダ | 0 |
12 | 8 | L・ノリス | マクラーレン | 0 |
13 | 10 | S・ペレス | レーシングポイント | 0 |
14 | 13 | A・アルボン | トロロッソ・ホンダ | 0 |
15 | 14 | A・ジョビナッツィ | アルファロメオ | 0 |
16 | 19 | G・ラッセル | ウイリアムズ | 0 |
17 | 20 | R・クビサ | ウイリアムズ | 0 |
リタイヤ | 6 | R・グロージャン | ハース | 0 |
リタイヤ | 12 | D・リカルド | ルノー | 0 |
リタイヤ | 18 | C・サインツJr. | マクラーレン | 0 |
予選が1位だったハミルトン選手は決勝2位。
レースは何が起きるかわからない。
『メルセデス』『フェラーリ』『レッドブル・ホンダ』の
チームが、2019年も3強として激しい争いをするのでしょうか。
レース後の出来事まとめ
決勝レース後、記事のまとめを少し。
ハミルトン選手の失速
車にダメージを負っていたため、走るペースが上がらなかった様子
(おそらく縁石を乗り越えた際に損傷した)
後方グリッドで、スタートシグナルが見えず
決勝レースのスタート時、後方グリッド(順位が後ろのほう)からスタートする選手には、
スタートの合図のスタートシグナル(スタートランプ)が見えなかったことが判明。
今年からのルールで、車のリアウイングの高さが高くなり、幅も広くなっているのが原因。
次戦バーレーン戦では改善される見込み。
メルセデスチームのファステストラップについて
オーストラリア戦で優勝&ファステストラップを獲得したメルセデスチームですが、
メルセデスチームのチームトップ(お偉いさん)のトト・ウォルフによると、
ハミルトンとボッタスには「レース中はファステストラップタイムを狙わないように」と、チーム指示を出していたそうです。
レース前の打合せで、トップ3でフィニッシュ(ゴール)するであろう可能性があるのに、
それをファステストラップを狙うことで台無しにしたくない(万が一、クラッシュや車の故障が起きる可能性がある)、という考えだった様子。
ただ、この指示は無視されてしまったみたいで…。
「エンジニアとドライバーたちの策略だったのだろう。エンジニアたちは乗り気だったから」とのこと。
「最終的には非常に満足しているよ。追加ポイントを獲得することは良いことだと思う。楽しめるし、素晴らしい見せ場だ」
今回は、なにも問題は起きなくてよかったよかった。